矯正歯科
当院の矯正治療の特徴
1.大原則として、極力抜歯は行わない
一般に4・4抜歯といって、犬歯の1つ奥の歯を抜いてスペースを作り歯を並べますが、この歯は犬歯と並んで顎を動かす時(食事時)の顎関節の保護や誘導に大切な役目をしていますので、極力抜歯をしないで矯正する方向で治療しています。
2.顎間ゴムの使用を極力避ける
顎関節・噛み合わせが不安定で当院で矯正治療を受けられる方には、顎間ゴムの使用を極力避けています。ただし、噛み合わせが安定してきた場合、あくびができる程度の細く柔らかいゴムを使用すると治療期間が縮まることがあります。1日6~8時間、弱いゴムを使用します。
3.細い形状記憶ワイヤーを使用
当院の歯列矯正はメモリードワイヤーテクニックといい、形状記憶ワイヤーを使った歯牙に無理のない矯正テクニックです。
形状記憶ワイヤーが0.12~0.16inchで、通常の太いワイヤー(0.22~0.28inch)より細いです。そのため違和感が大変少ないです。細いワイヤーでも歯牙の動きがとても早く、矯正期間がかなり短縮できます。一般的な矯正治療は1ヶ月ごとにワイヤー交換をしますが、矯正期間が短いと2~3週間単位で可能です。もちろんその頻度でいらっしゃるのが難しい方は、1ヶ月ごとの交換でも問題ありません。特に私がメモリードワイヤーをかけて思うのは、柔らかい力で無理なく歯牙を動かすため、生理的な利に適った矯正方法だということです。
4.セラミック製のブラケット
セラミック製の透明で小さなブラケット(四角い箱型で歯牙に接着する装置)なので、審美的に目立ちにくいです。
5.非抜歯矯正
通常の術前・術後の写真ではなかなか信じてもらえないので、あえて専門的なスタディモデルの写真を載せます。しかも治療期間が短いことに驚かれることでしょう。
術前:2000年7月26日
術後:2002年6月3日
術前:1999年10月30日
術後:2000年12月26日
術前:1999年2月9日(前歯)
術後:2000年7月24日(前歯)
“4・4(ヨンヨン)”小臼歯4本を抜歯して矯正すると、以下のようなデメリットがあります。
- 成人なのに口の中が中学1~2年生の歯並びの大きさになってしまう
- 舌の置き場所が狭くなるのでいびきをかきやすくなったり、舌根沈下による睡眠時無呼吸症候群を誘発する恐れがある
ホワイト矯正スタート
実は、各メーカーから4~5年前よりホワイトワイヤーが出現しましたが、どれも満足いく物ではありませんでした。ホワイトワイヤーはチタンワイヤー、ステンレスワイヤーにホワイトコートをするため、摩擦が増え以下のようなデメリットがありました。
- 歯の動きが鈍くなる → 治療期間が延びる
- 歯に抵抗がある → 動かすのが痛い
この難題をクリアしたワイヤーが、日本のメーカーから誕生しました。当院の“歯に優しい、治療期間が1年程早い”条件はそのままに、ホワイトワイヤーで治療ができるようになりました。これから治療を始める患者さんに限らず、矯正治療中の方も途中で切り替えできます。また極細のワイヤーは今まで通りで、いつからでもホワイトワイヤーの選択が可能になりました。
クリンパブ、オープンコイル、その他付随の装置もホワイトがあります。全ての方が低料金のアップでご利用可能です。
見えにくい矯正・目立ちにくい矯正
見えにくい・目立ちにくい・気づかれにくい矯正治療といえば、主に2つあります。
- 舌側矯正:完全な舌側(歯の内側)にワイヤー装置をつけるやり方
- マウスピース矯正:透明なマウスピースで着脱できる歯型に沿った物で動かす
1.舌側矯正
- 舌触りが悪く歯石が付きやすい、また喋りづらいことがある
- 表側に比べて歯のワイヤーのアーチが極端に小さくなるため、矯正期間が1年~3年半程度延長する
2.マウスピース矯正
- 透明なプレートで歯を押していく矯正で、ブラケット矯正のように歯をしっかり捕まえていないので、歯の左右のねじれや傾きを修正するのが難しい
- マウスピース矯正を始めたけれど歯が動かないという相談が多いので、当院では仕上げで使用している
最近、マウスピース矯正が盛んです。当院で矯正のご相談が一番多いのも、取り外し可能な透明プレートのタイプです。カウンセリングでよく耳にするのが「1日10時間プレートを入れているのに歯が動かない」という相談です。簡単にいうと、マウスピースは歯の上に乗せているだけの矯正です。歯を押すのは得意でも、引っ張るのは苦手です。特に歯と歯がガタガタに重なっている前歯などは苦手です。睡眠中に噛み締めが強い方も難しいです。
マウスピース矯正をご希望の方は、本格矯正(マルチブラケット)で矯正を行っている歯科医院に行ってください。なぜなら、マウスピース矯正を始めてみて動かなければ、必ずフルバンド矯正に変更してもらえるからです。
当院は、矯正の初期・中期ではマウスピースを使用しません。歯の上下のズレや傾斜が整ったあとの仕上げにマウスピースを使用します。
マウスピース矯正は、ご本人の強い意思で、歯が動く痛みや疼き、しみる感覚に耐えることができる方に限定する矯正です。フルバンド矯正は、24時間装着したままワイヤーの柔らかい力でゆっくり痛みが少なく動くので、確実にご自分の理想に近づけると考えています。
院長コメント
マウスピース矯正で歯を動かすためには、次のステップの歯が動いた段階のマウスピースを無理矢理はめて1~2ヶ月生活しなければなりません。それを繰り返すのがマウスピース矯正です。
矯正歯科治療料金表
- 成人矯正
- 880,000円~1,320,000円
※金額は税込価格です。