インプラント
インプラントとは?
インプラントに対する患者さんの認知度は、ここ10年で大変上がりました。いわゆる市民権を得たといえるでしょう。それだけに、間違った認識を持たれている方は少なくありません。
- 歯を抜いてすぐインプラントが入る
- 切らずに植立できる
- インプラントは3~5年しかもたない
- 骨の痩せた人はできない…または、他医院で私はできないと言われた
などです。
歯を抜いてすぐインプラントを触立できる人はいます。切らずに植立できる歯(骨)の場合もあります。
骨が痩せた人も植立できる治療法が、10年前より増えました。十人十色、口の中や骨の状態は皆さん違います。ですから答えが一つにはなりません。
まずは、あなたの歯(骨)の診断をしなければ、何も答えられないということです!
インターネットでいくら調べても結論は出ないのです。正しい診断を受けてください。当院では、30年以上の歴史があり、治療法が確立している安全な治療です。インプラント治療について詳しく知れば知るほど、現在の歯科治療の中ではリスクが少ない、理想的な治療であることがわかります。
インプラント治療ってどんな治療なの?
インプラント治療とは、歯を失った後の骨の中にインプラント体(人工歯根)を埋め込んで、その上に被せ物(人工歯)を装着して、再び噛める状態にする治療法です。歯を支える土台(歯根)を埋め込むことで安定性が高まり、入れ歯やブリッジにはない、安定した噛み心地と快適さがあります。
インプラントの素材には生体親和性の高いチタンを使用。顎の骨の中に埋め込まれると体の一部として認識し、チタン表面の細かい部分まで骨が入り込みしっかりくっつきます。また金属アレルギーが少ない素材なので、安心してお使いいただけます。
インプラントの3つの特徴
自然な歯のようにしっかり噛める
顎の骨の中にインプラントを埋め込んで歯を支える土台を作るので、安定性に優れています。インプラントの素材に生体親和性の高いチタンを使うことで、骨としっかり結びついて、ズレたり外れることがありません。自然の歯と同じように、柔らかい物や固い物までしっかり噛めるようになります。
残っている歯にダメージを与えない
なくなった歯の顎の骨の中に直接インプラントを埋め込むので、1本からでも治療ができ、入れ歯やブリッジのように治療のために他の歯を削る必要がありません。インプラントを入れることで噛み合わせが正常になります。また残っている歯を痛めることなく、お口の健康を守れます。
見た目が自然で美しい
インプラントの上に装着する被せ物は、セラミック製の人工歯です。技工士が全体のバランスを考えながら作るので、自然な仕上がりになります。また周りの歯や歯ぐき、粘膜の関係を調整した後に人工歯をセッティングするので、全体の歯にしっくりなじんで、見た目を損なうことがありません。
長期間使える
インプラントは、現在の歯科治療の中でもっとも理想的な治療といわれます。メインテナンスをきちんと行えば、長期にわたってしっかり機能し、快適な状態を保てます。医療技術の向上により、きちんとメインテナンスをすればインプラントの寿命(生存率)が10年以上になりました。より快適さを長持ちさせるためにも、定期メインテナンスをきちんと受けましょう。
●インプラントのメリット
- 安定した噛み心地で、何でもよく噛める
- 天然の歯のような自然な美しさがある
- 健康な歯を痛めたり傷つけたりしない
●インプラントのデメリット
- 手術が必要
- 治療費が高額になる
- 全身疾患や骨の量が不足している場合は、適応できないことがある
インプラント治療の流れ
Step1.カウンセリング
1時間以上かけて、しっかりカウンセリングを行います。インプラント治療の内容や治療の流れ、手術についてなど説明し、不安や疑問、質問にお答えします。
Step2.検査
歯科用CTで精密診断を行います。噛み合わせや顎の骨の状態などを詳しく診査して、治療計画を提案します。医師による説明と、患者さんから同意をいただいたうえで治療に進みます。当院が初めての患者さんには、治療に慣れていただくために歯石除去などの基本治療も行います。
Step3.手術
歯を支える土台になる、インプラント体の埋入手術を行います。麻酔をかけるので術中の痛みはありません。術後、その日のうちにお帰りいただけます。なお当院では、骨を削る量をできるだけ少なくするため「大口式」の骨を拡げるメソードを行う場合があります。
Step4.経過観察
経過観察期間を設けて、インプラントと骨が結合するのを待ちます。
Step5.人工歯の装着
インプラントと骨が結合したら、最終的な人工歯を装着して、インプラント治療が終わります。
落ちない入れ歯を可能にしたインプラントオーバーデンチャー(総入れ歯)
総入れ歯の患者さんなら、誰しも抱く願いです。
- 笑っても落ちない入れ歯
- お餅も食べられる入れ歯
- 硬い物を噛んでも歯ぐきが痛くならない入れ歯
これら全て、総入れ歯の患者さんの切なる願いをインプラントなら可能です。
どういうことかというと…
総入れ歯の方は歯が1本もない状態ですが、上顎、下顎の骨に数ヶ所(最低2ヶ所)インプラントを植立して、そこへマグネットを埋め込んで入れ歯をしっかり安定させることができます。
落ちない!噛める!そんな入れ歯が誕生します!
切開しないインプラント手術(フラップレス)は万能か?
果たして歯ぐきを切らないでインプラント手術は可能か。
「フラップレス」という手術方法は全く切開しないわけではなく、インプラント植立予定の歯ぐきを丸くパンチアウトし、ドリリングをして植立する治療法です。
フラップレスを推奨して行っている医院が見受けられますが、当院では適応する患者さんは少ないと思っています。
フラップレスでは…
- 植立部位を切開しないため、骨の整形、形態修正がその場で同時に行えない
- インプラント植立予定の歯ぐきに、パンチアウトして角化歯肉(硬い歯ぐき)を減らしてしまう
院長コメント
フラップレスの最大の欠点は、インプラントの植立予定している場所の硬い歯ぐき(角化歯肉)をパンチアウトしてなくしてしまう事です。
逆に丁寧な切開法では、手術前より硬い歯肉を増やす事ができます。インプラント植立時が、角化歯肉を増やす最大のチャンスでもあるという事です!それによって、インプラント植立後に安心して歯磨きや食事ができる状態を作れるのです。
骨造成 骨が痩せているからと諦めないで!
骨が少ない方の骨再生療法
「顎の骨の量が足りない」と言われ、インプラント治療を行えない場合があります。充分な骨量がない状態でインプラント手術を行った場合、インプラント体が骨を突き抜けたり炎症を起こす可能性があり、トラブルの原因になります。骨量・骨質が充分でない患者さんへのインプラント治療は不可能です。
ただし、少ない骨を再生する骨再生療法で解決できるケースもあります。骨が少ない患者さんは詳しく検査を行い、いくつかある骨再生療法のどれが適応できるか、担当の医師が確認し判断します。
骨再生療法を紹介します。
サイナスリフト(クリスタルアプローチ)
上顎がインプラント植立に必要な骨の1/3以下の場合に採用する治療法です。上顎には「上顎洞」と呼ばれる空洞があり、空洞部分の粘膜を押し上げてできたスペースに、骨充填剤を入れる方法です。
デメリットは、術後半年待って骨が硬く固まってからインプラントの植立手術を行うので、半年間治療が延びます。ただし、骨質がしっかりして骨量がある程度あり、インプラント植立に必要な骨の2/3がある場合は、インプラントの植立手術と同時に行えるので、治療期間は延びません。
当院のクリスタルアプローチのメリットは、顎の骨の横から大きく骨を削るラテラルアプローチに比べて骨を削る量が大幅に少なく、術後の痛みの軽減に大きく役立っています。
GBR法
インプラント植立時に必要な骨の高さや幅が足りない場合に行う造骨手術です。過去に抜いたままで放置し、骨が痩せたり足りない状態の方に行います。当院では、抜歯と同時にGBR法を採用していますので、スピーディーな骨の回復が見込めます。
いずれの治療法についても、患者さんの状態を充分に検査した上で骨造成が必要かを担当医師が判断いたしますので、まずはご相談ください。
安全なインプラントを求めて
インプラントは、失った歯の代わりになる第二の人工歯です。当然、骨の中に人工歯根(インプラント)を植立するため、医師の技術や経験が問われます。当院の現在のインプラントタイプは1993年より始めています。
まず知ってほしいのは、インプラントのオペを年間20症例以上行っている医院は、東京都内の歯科医院で5%しかいないという事実です。(医療情報社)
本当の意味でのインプラントに手馴れている医院は、ごく少ないということです。また、患者さんの情報や嗅覚が鋭く、多くのオペを手がけている少数医院に集中していることでしょうか。事実、当院でもインプラントオペをご希望されるほとんどの方が、患者さんからのご紹介です。
もう一つ大切なのは、『当院は○千本の実績!』などのうたい文句を目にしますが、そこの医院の実績であって、オペを行うドクターの実績ではありませんので、担当医のレベルをよく確かめてください。
まず、診断が大切
- 上・下の正しく型をとった精密な本人の模型
- 術前の他の歯の管理・清掃(自分の歯が歯周病の状態でのインプラント手術は、感染の危険を伴います)
- 全身の健康面で、特に糖尿病が進行している方(特にHbAIC7.0以上の方)は手術を避けた方がよい
狭い骨には、2つの方法を当院では用意しています。
大口式インプラント
狭い骨をオーギュメーターという細い棒で広げていくオペです。骨の比較的柔らかい上顎や下顎でも、骨の中が柔らかい人に向いています。医学博士・大口弘先生が考案、開発した、骨をドリルで削らないインプラント法です。大口先生は名古屋市立大学の元客員教授で、岐阜県・愛知県でご開業の歯科医師です。
OGA式(旧シェルシェブ)
逆に細くて硬い骨に向いています。また、前歯などで、インプラントオペ日から即仮の歯が欲しい人に向いています。(この場合は、入れ歯をのせるのではなく、インプラントに直接つける仮歯が可能です)
I. 大口式インプラント(ドリルを極力使用しないオペ)
骨が痩せて細い場合はどうするか
オーギュメーターという方法で、細い骨に細く穴をあけて拡げていく方法です。
●骨が拡がる
狭い顎の骨を、細い→太い番手がきめ細かく揃った棒状の器具でゆっくり丹念に拡げることで、骨がインプラントに必要な幅まで拡がります。
ある意味、骨ドリルを使用しないため、極めて安全で確実な方法です。(一部、最初と最後は骨ドリルを従来の方法で併用します)
当院でもこの技術と手術器具の進化に恩恵を受けている患者さんは大勢います。
CT診断
精密な骨の状態を把握できますので、骨の状態を精査し、できればCT画面上でインプラント植立のシミュレーションをしてみることが大切です。まず診断をお受けください。(CT撮影のページ参照)
II. OGAインプラント(シェルシェブ)
OGAインプラントとは
無切開、無縫合 即時に仮の歯が入るインプラントのこと!これは、以前より当院のホームページでも紹介しているシェルシェブインプラントの進化版です。
シェルシェブインプラントは、ミッシェル・シェルシェブ(故人)が考案し、世界中に知れ渡りました。特許が切れ、その後、福井県の小笠原久明先生の改良が加わり、日本人の顎や歯に合った素晴らしいインプラントに生まれ変わりました。私も30年前からフランスのシェルシェブ先生を始め、小笠原久明先生(シェルシェブ日本代表)にご指導いただき、今日に至っています。
当時は恩師 小笠原久明先生(68歳)・私 平沼(54歳)という現状でした。福井県の小笠原先生のところには、全国から患者が押し寄せ大変な盛況ぶりです。もちろん、福井県まで治療にいらっしゃるのはよいと思います。ただ、神奈川県の当院でも立派にOGAインプラントは行われているのです。当院のインプラントの歴史は古く、35年前より手掛け、シェルシェブインプラントは30年間の実績があります。患者さんの経過は極めて良好なのです。
●師匠に背いた考え方(ラストチョイス)
私もインプラントを手がけて30年経ちました。世界のスタンダード(ITI型・京セラ)からオガインプラントまで、患者さんに合ったインプラントをお届けできます。もちろん小笠原先生の医院と違って、当院はOGAインプラントのみをファーストチョイス(第一選択)ではなく、インプラント自体をラストチョイス(最後の手段)と考えています。従来法のクラウン・ブリッヂや入れ歯(義歯)を手堅く行い、なおかつ従来法では満足できない患者さんのラストチョイスと考えているからです。
インプラント料金表
- インプラント上部込み(1歯)
- 390,500円
- 骨造成
- 77,000円~132,000円
※金額は税込価格です。